ハワイではサービスを受けた時にチップを渡す習慣があります。レストランで食事をした時、エステやマッサージなど美容系のサービスを受けた時、ホテルのベッドメイキングに対してなど、旅行中でも様々なタイミングでのチップの渡し方を紹介します。
日本ではあまり馴染みがないので「めんどくさい」「意味が分からない」と思いがちですが、ハワイ旅行中に嫌な思いをしないようにチップについて詳しい知識を身に付けて、払うべきところで気持ちよく払い、払わなくていいところで損をしないようにしましょう。
記事の目次
チップの習慣はどうやって生まれたか?チップの歴史
ロミノハワイのお客様に「レストランやホテルでいつチップを払えばいいのか?」「タクシーはチップを払わないでいいのか?」などと、ご質問を頂くことがあります。いつどんな時にチップを支払うかも大切ですが、なぜ払うのかを納得して払うことも大切だと思います。チップを払う文化がどのようにして生まれて根付いたのかを理解して、まずはチップ文化の根本を把握しましょう。
チップの起源
チップを支払う習慣はヨーロッパの貴族の間で始まったといわれています。料金の決まっていないサービスに対して、お客さんが金額を決めて料金を箱に入れる事からチップは始まったとされています。そのサービスはイギリスの床屋で実施された血抜きのサービスで、箱には「TO INSURE PROMPTNESS」(迅速さを保証するために)と書かれていたそうです。血抜きを素早く行うために本人の感覚で料金を決めて箱に入れていたそうです。その名残から、 TO INSURE PROMPTNESS のそれぞれの単語の頭文字をとって「TIP」となったそうです。
アメリカでのチップ
17世紀にヨーロッパの貴族の間で広まったチップの文化は、 1800年代にアメリカの富裕層の間でも広がって習慣化されていきます。現在では、値段のないものに値段をつけるという意味合いではなく、受けたサービスに対する「気持ち」を渡すという事が習慣となり、いつの間にか義務的にチップを渡す習慣となっていきました。サービスが悪ければチップを減らすというような、払う事が大前提で、サービスに不満があったとしてもチップを減額して渡す風習になっています。
チップを受け取る側の認識
レストラン、ホテル、スパ、タクシーなどハワイ旅行中にチップを払うタイミングはたくさんありますが、受け取る側はどのように考えているのでしょうか?支払う側から見ると料金に対して、さらに20%ほどの料金が上乗せされて正直払いたくないと思ってしまったり、めんどくさいと考えてしまいがちです。
受け取る側にとっては、チップは個人の収入だと思っています。レストランに例えますと、料理の代金は会社に払われるもので、チップはウェイトレスやウェイター個人に払われるものという認識でいます。そして、チップは支払われて当たりまえで、サービスが悪いと少なくなって、サービスが良いと多くなると考えています。
「もらえて当たり前」と「満足したら払う」というサービス提供者と日本の消費者の考え方の違いがあるということを理解しておくだけでもチップに対する見識が深まります。郷に入っては郷に従えというコトワザがありますが、相手の文化や考え方を理解して旅行を楽しみましょう。
実際にチップの習慣で困ったこと
日本から1年間のハワイ留学でハワイに住んでいる方々にチップで困った経験はないかアンケートを実施しました。アンケートの対象はロミノハワイマッサージスクールに通っているハワイ在住の生徒さんとM-1ビザを取得してロミロミを学んでいる生徒さんたちです。日々の生活が楽しいハワイ留学ですが、チップで困ったこともあったようですのでご紹介します。
レストランで勝手にチップが加算されていた事。払うつもりだったのに嫌な気分になった。ハワイは日本人が多いから仕方がないとも思う
アンケート結果より
困った事というか恥ずかしかった体験ですが、チップ用の細かいお金を用意してなくて、大きいお金で支払いした時にお釣りはどうしますか?のサーバーさんからの質問に対し、チップ用にお釣りをくださいとお願いした時は、ちょっとスマートじゃなくて恥ずかしかったです。
アンケート結果より
チップの計算がむつかしく、すぐに計算できなくて困ったことがある。また、いくら払ったらいいかわからないので、教えてほしかった。
アンケート結果より
ハワイに来た当初、レストランでウェイターの接客があまり良くない時、その接客やレストランに対してチップを払うと思うと日本ではチップ文化がないので戸惑いました。
アンケート結果より
お会計がチップが込みだと知らずに二重てチップを払ってしまったとき
アンケート結果より
ご旅行の際には留学生たちが困ったことを把握しておくだけでも、全くわからない状態ではなくなりますね。旅行を楽しむためにもチップに対する免疫を少しでも付けてほしいと思います。
ハワイでチップを払うタイミングと渡し方
ハワイ旅行中にチップを払うタイミングはいくつかあります。旅行中に遭遇するであろうチップを払うタイミングと具体的な渡し方をお伝えします。
タクシーの運転手へチップの渡し方
アメリカ人の中でもタクシーの運転手にはにチップは払わないという考え方の人もいますが、ほとんど人はタクシードライバーへチップを渡します。チップの目安金額は料金の約15%ほどです。タクシーの料金は下車するときに支払いますので、支払いの時にチップ込みの料金を渡します。ハワイのタクシーは基本的に小銭のやり取りをしません。チップ込みで切りのいい金額を下車時に渡しましょう。移動手段にチップは関係ないと思うかもしれませんが、社内で観光ガイドさんのようにドライブしながら説明してくれたりする親切なドライバーさんもいます。その場合はチップをはずんで20%~25%渡したりします。
ホテルでサービスを受けた時のチップの渡し方
ホテルに到着して、部屋に荷物を運んでくれた時やルームサービスなど部屋に届け物をしてくれた時にチップを渡します。荷物一つに対して1ドル~2ドルが相場です。 一般ホテルなら1ドル、高級ホテルなら2ドルといった具合でしょうか。バスタオルや歯ブラシなど足りないものを部屋に届けてもらった時にもチップを渡します。タイミングとしては荷物を受け取りった直後にありがとうがとうと伝えながら渡します。バレーパーキングにレンタカーを預けた時は、出発の際に車を回してくれた時にチップを渡します。渡すときはお札を4つ折りにしていくら渡しているかわからないように渡すのがコツです。
レストランで食事をした時のチップの渡し方
レストランで食事をした際にお会計時にチップを払います。ウェイトレスやウェイターにお会計を頼むと座っているテーブルまでタブを持ってきてくれます。サービスに可もなく不可もなくの場合は合計金額に15%のチップを払います。タックス前の料金に対して15%を計算します。クレジットカードの場合は一度、クレジットカードを渡して請求してもらい、戻ってきてレシートにチップの金額とサインを入れて渡します。現金の場合は合計料金とチップを合わせた金額をテーブルの上に置いて退席してしまっても大丈夫です。サービス内容もよく大変心地よく食事をすることができてチップを多めに渡したい場合は25%ほど渡すこともあります。
美容関係のサービスを受けた時のチップの渡し方
ハワイ旅行中にエステやマッサージを受けたり、ウェディングの場合はヘアメイクを頼んだりすることもあります。アメリカでは一般的に美容業界で専門技術に対してはレストランなどに比べると多めに払う傾向にあります。髪の毛をカットしてもらうのも相場は20%です。チップを渡すタイミングはすべてのサービスを受け終わって店を出るタイミングで渡します。クレジットカードで一緒に支払いをしてしまいたい場合は会計時に一緒に支払ってしまうことができます。
美容院でチップを間違って少なく渡してしまったことに気づかずに、次回の来店時に髪型をめちゃくちゃ変にされたという笑い話のような話もあります。1対1で受けるサービスはチップを多めに渡しておくと次回の利用時にとても気持ちよくサービスを受けられます。チップが多いだけで特別扱いを受けられるアメリカならではの体験もできます。
チップ早見表(一覧表)で相場を確認する
チップを計算する際に15%のチップを計算する場合は合計金額に×1.15%で計算すればよいのですが、手元に計算機がない時のためにチップ計算の早見表を作りました。チップの相場は15%~25%と業種によっても変わってきます。チップを払うときに役に立つように、15%と20%のチップを料金$100に対してまで一覧表にしました。
料金 | チップ15% | チップ20% |
$5.00 | $0.75 | $1.00 |
$10.00 | $1.50 | $2.00 |
$15.00 | $2.25 | $3.00 |
$20.00 | $3.00 | $4.00 |
$25.00 | $3.75 | $5.00 |
$30.00 | $4.50 | $6.00 |
$35.00 | $5.25 | $7.00 |
$40.00 | $6.00 | $8.00 |
$50.00 | $7.50 | $10.00 |
$60.00 | $9.00 | $12.00 |
$70.00 | $10.50 | $14.00 |
$80.00 | $12.00 | $16.00 |
$90.00 | $13.50 | $18.00 |
$100.00 | $15.00 | $20.00 |
チップを払う時の注意事項
会計時には必ずチップを含んだ料金かどうかを確認するようにしましょう。中にはチップを含まれた金額をはじめから提示してくるレストランもあります。計算しなくてもよいようにと気を効かせてくれているので、すべて込みの会計はとてもありがたいのですが、チップが含まれていないと勘違いをして、さらに15%のチップを置いてきてしまったという失敗談をよく聞きます。お会計の際にはチップ込みの金額かどうかを必ず確認して、払い過ぎで損をしないように気を付けてくださいね。
チップを払わないでいい飲食店
ハワイで食事をする時はすべてチップを払わなければならないかというと、そうではありません。中にはチップを払わなくてもよいお店もあります。チップを払うのがめんどくさいとか意味が分からないという方はチップを払わないところへ行くのも一つの手ですので、払わないでいい理由と合わせてご紹介します。
ファーストフード店
マクドナルドやケンタッキーなどのファーストフードではチップを支払う習慣はありません。オーダーした後、自分で席までもっていき食べますのでサービスを受けていないという認識でチップを渡さないのです。同様の考え方で、アイスクリーム屋さんもチップを払う必要はありません。ただし、レジの横にはチップ箱が置かれていたり、クレジットカード決済時にチップを記載する欄があったりで「あれ、チップ払わなければいけないの?」と感じることもあるかもしれません。そういう時は自分はサービスを受けたかどうかを判断してみてください。
ただし、バーなどアルコールを頼むときだけはチップを渡す文化があります。バーで一杯飲むときは1杯1ドル計算か、15%ほどのチップを渡すと喜ばれます。
カフェ
スターバックスやホノルルコーヒーなどのカフェもチップは払わなくていいです。ファーストフード同様にレジの横にチップ箱を見かけます。愛想よく接客してくれたり、常連になって何度も同じ店員からオーダーをする機会があるようでしたらチップボックスに1ドルくらい入れると喜ばれます。席に座ってオーダーを取りに来てくれる喫茶店のようなスタイルのカフェの場合はドリンクや食事を運んできてくれるというサービスが付きますので、レストラン同様にチップは払いますのでご注意を。
プレートランチ
自分でオーダーして自分で席に運ぶような形のプレートランチのお店もチップの支払いは必要ありません。レジで注文をして、支払いをして、番号札をもらい、番号を呼ばれたら取りに行き、席にもっていって食べるという流れです。ファーストフード同様にサービスを受けてはいないというのがチップを払う必要のないポイントになります。
コンビニ
ハワイにもセブンイレブンがあります。セブンイレブンのほかにもコンビニのようなお店がたくさんあります。ハワイで有名なのはABCストアーというコンビニです。コンビニで食事を買ったりした際にもチップは発生しません。
おまけ
ハワイ旅行でチップを払う際に小銭では払わないようにしましょう。基本的にはお札で払います。またチップに対してお釣りを求めるのは少々かっこ悪いので、ちょうどいいチップを渡せるように1ドル札を多めに持っておくとスマートにチップを渡すことができます。ホテルのロビーでも1ドル札に両替してくれますので、観光に出かける前にチップの準備をしておくと安心です。
まとめ
チップ発祥の歴史から、実際にチップの渡し方をタクシー、ホテル、レストランなどの状況に合わせてご紹介しました。チップを払うべきところで払い、ストレスのないハワイ旅行にしていただけますと嬉しく思います。日本で馴染みがあまりない習慣ですが、異文化体験だと思ってチップを渡すことも楽しみながらハワイ旅行を楽しんでくださいね。
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